大阪の北新地にある会員制バーでは、VIPルームに続く建具を隠し扉にしています。
枠を隠し、壁と建具の仕上げを揃え、さらに格子で境目を曖昧にする、という工夫で作った本人もどこが取手で扉かわからないような隠し扉ができました。 オーダー家具職人が製作し、現場の職人が仕上げた隠し扉です。完成した姿だけでなく、施工中のプロセスも併せてご覧ください。
二方枠の設置
まずは枠が納まらなければ現場工事が進みません。現場の大工工事の進捗に合わせて、まずは建具枠の設置です。
家具工房で作ってきた枠を搬入し、現場の大工さんに取り付けてもらいます。隠し扉にするということで、左右の建枠のみで上枠は無です。
ここに隠し丁番で建具を吊る予定です。
建具の吊込み
建具を吊るころには壁も仕上がっていました。
建具はメラミン化粧合板なのですが、この化粧板と同じ柄のシートがメーカーで製作されています。
アイカ工業のオルティノという商品なのですが、このシートは品番によってあったり無かったりなので、仕上げ材を選ぶ段階でよく調べておく必要があります。
現段階でも扉がわかりにくく隠し扉として機能しそうですが、このままでは建具と壁の境の縦の筋がやや目立ってしまいます。
格子の施工
格子の塗装が済めば、いよいよ左奥の壁から格子を取り付けていきます。
扉の開け閉めによって格子同士が干渉しないように綿密な検討の上、現場の大工さんに取り付けていってもらうのですが、その過程で一度建具は外しています。
細かいこだわりですが、壁の格子もベニヤを挟んで上下少し透かしています。もちろん最後にベニヤは外します。建具はどうしても上下に隙間を作らないと開け閉めできません。それに合わせたわけですね。
隠し扉の完成
建具にも格子を設置して隠し扉が完成しました。
丁番に吊って見ても建具の縦筋もほとんどわからなくなっています。 特に吊元側の格子は少し調整が必要になるほどの繊細なおさまりになりました。
建具を少し開けてみましょう。
十分に隠し扉といえる出来です!
格子に一部掘り込み取手の加工をしているのですが、扉を閉じた状態ではそれがどこになるのか全然わかりません(笑)
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